2014年の得難い経験

 

 

f:id:junbar01:20150104162947j:plain【 入院中の病院から見た日没 】

 

日時:2014年9月16日午前6時50分頃
場所:名古屋市北区 自宅から約50メートルの付近

あの時、僕はとても急いでいた。出発時間を間違えていたから。

「このままじゃ間に合わないかも」

愛車のグリーンのクロスバイクを立ちこぎして、かなりのスピードでその道を渡ろうとしていたその時、一瞬左右から車が来ているのが視界に入った。とっさに右の歩道に進路を変えた。歩道に入ったところで、

 

 シャットダウン 記憶がなくなった。

 

 


気がつくと自宅で寝ていた。
頭が痛い。
朝、救急車で運ばれたんだと言われた。
でもなぜここに寝ているのか?(笑)
頭がぼーっとしている。
眠い。とても眠い。

途中途中で気持ちが悪くなり何度も起きてトイレへ行く。

今いったい何時なのか昼なのか夜なのかもわからない。
なんとなく夜中のようだった。
何も食べていないので何も出てこない。
胃液だけが出るんだなあとぼんやりと思っていた。

朝になり、様子がおかしいから今からまた病院に行こうと言われる。
「急に病院に行っても受付されないんじゃないの?」
でも行くことに。(途中の記憶なし)

着いて事情を説明すると即決で入院になった(らしい)(記憶なし)

すぐに HCU(集中治療室)に。

ほとんど寝ていて、呼びかけると時々覚醒し、少し返事をして
またスリープモードに。(らしい)

3日ほどHCUにいて、一般病棟に移れるようになった。
そこからようやく記憶が残っている。

 

診断名:急性硬膜下血腫


とにかく頭が痛い。
左後頭部を強打して、縫ってある。
なのに右の側頭部が割れるように痛い。なんでかな?

「頭の痛い人ってこんなにも辛いんだなあ」と思った。

脳神経外科病棟はおじいちゃんとおばあちゃんの集団病棟だった(笑)
自分もこのままおじいちゃんになってしまうのだろうか?(笑)

先生は3週間くらいで出られるでしょうと。

「ああ、3週間ならよかった。ゆっくりしよう」

そう思って2週間経った。
だんだんと回復しているようだった。もうお風呂にも入っていいと言う。

10月3日土曜日

頭が痛いので薬をもらう。そのあと病棟の都合で病室移動になった。

急に気持ちが悪くなってきて、
頭痛薬が胃によくなかったのかなと思い、

「ああ、気持ち悪い」と思っていたら、そのまま病室で少し吐いてしまった。

ナースコールを押してシーツを取り換えてもらう。
その後、とても眠い。
連日夜中にさわぐおじいちゃんがいるので寝られないから、眠いんだと思っていた。
寝よう。

目が覚めたら、ストレッチャーの上。

看護婦さんが

「いしかわさん、手術終わりましたよ」と。

「えーーーーー!!!! 手術?!(・_;) 手術なんて聞いてないし~(ーー;)」

「手術するならちゃんと言ってからしてよ!!」

と思ったが、

実はちゃんと手術前に説明を聞いたらしい(笑)

唖然。

ここはなんだか広いけど病室?
NCUっていうところらしい。ナースセンターのすぐとなりと言うかつながっているみたい。
これは安心だ(笑)

注釈:NCU(Neurosurgical Care Unit):脳神経外科集中治療室。脳神経疾患や頭部外傷での脳外科手術後に収容される。


右側頭部 こめかみのあたりが痛い。
なんだかばんそうこうみたいなものが貼ってある。
左を見るとジップロックのような袋。
そこに血がたまっている。
そこからチューブが伸びていて、右側のこめかみにつながっているみたい。

頭に穴をあけて頭にたまった血液を抜いているんだと言う。
記念に写真を自分で撮る。

弱った魚のような目をしている自分(笑)

でも頭はつるつる坊主じゃなかったからよかった(笑)

血液は日々増える。
「こんなにもたまってくんだなあ」とぼんやり思う

最後に見たときは約500CCだった。

「ひぇー、小さい牛乳パック1つ分だ」

そのうち一般病棟に戻るらしい。
おじいちゃんとおばあちゃんの集団病棟(笑)

看護婦さんが
「いしかわさん、今日チューブ抜きますから」と。

先生が来た。
「いしかわさん、チューブ抜きますね」
「麻酔打つ時の注射の痛さと、最後縫う時の痛さは変わらないので、麻酔せずそのままやりますね。(にっこり)」

「え? ええ、ええ」
(なんかこの説明は変な気がするけど....まあそんなに痛くないのかな)

「はいまずガーゼを取りますね」

べりべりべり

「いたたいたたいたた痛い痛い痛い!!」

ガーゼ取るのにこんなに痛いとは!予想外!!

めっちゃ痛かった(ーー;)

「はい抜糸します」

「は、はい...」

「いててててて!!」(さっきより痛くなかった)

「はい終わりました、今度はチューブ抜きますからね。ちょっと気持ち悪いかもしれないけど」

にゅるん

「うわわわ~ 変な感じ~ やめてくれ~」

「はい終わりました。じゃあ最後、また縫いますね」

「いたたいたたいたた!!」(麻酔より絶対痛い!)

 

「ふーーーー」 安堵。。。

「めっちゃ痛かった~ (*_*) 」

ちなみに女性の先生でした。

「あんなに痛がってるのにビビらずにやれるってすごい、彼女はプロだ!」
と妙に感心。

そして
担当の脳外科の先生から、

「いしかわさん、手術しましたのでここからまた3週間かかりますから」

「はい。(え、まだ3週間もいるのか。。。)」

おじいちゃんとおばあちゃんの集団病棟。
夜中に騒ぐわ、いびきはすごいわ。

今までいろんな病院で入院してきたけど、
そしてどこでも一瞬で寝られるのが特技だけど、ここはさすがの自分も寝られんわ~

そんなこんなで
寝られないながらも、悶々としながらも、時間は過ぎる。
なので普段できない読書をしたり音楽を聴いたりして快適に暮らしました。

そしてようやく
2014年10月24日退院。

実に約1か月半の入院となった。
30代のときの椎間板ヘルニアの大手術以来の長期入院となった。

さらに
先生に診断書を書いてもらい、
安全を見てそれから1か月間仕事を休ませてもらいました。

12月に社会復帰。

無事に普通に生活と仕事が出来ることに感謝です!!


後で聞いたんだけど、
あの手術、あと1時間遅かったら(いのちが)危なかったらしい。
よかった、病院にいる間に具合悪くなって。

あと、
12月の診断でわかったのだけど、MRIの結果、

先「右目奥の海馬のある部分に脳挫傷が見られ、その部分が死に、やせています。」
先「ここに水がたまっているので黒くなっていますね」
先「海馬は記憶をつかさどるところなので記憶障害とか引き起こす場合がありますが、いしかわさんの場合、どうですか?」

私「いえ、別に(前から記憶力は超悪いし)(笑)」

先「海馬は左右にありますから大丈夫でしょう」

先「あと、今後まれにけいれんの発作が起こる場合がありますが、」

私「はい」

先「その時は救急車を呼んでください」

私「は、はい。(そんな時は自分で呼べんだろ~。ていうか誰か呼ぶだろうな)(笑)」


いつも健康で
いつも元気で
いつも楽しく
いつも友だちがいて
いつも家族がいて
いつも食べ物が食べられる
いつも道を歩けて
いつも会話ができる

みんな普通のことではなく、とっても幸せなことなんだよね。

得難い経験をした、2014年の秋から初冬の出来事でした。

生きててよかったなあ。


みんなも事故や健康に気をつけて。(お前が言うな~)(笑)